引っ越しという、一見すれば地味なテーマ。
しかしそれが江戸時代になると話が変わってきます。
その大変さを知ることができます。
ストーリー
姫路藩書庫番の片桐春之介(星野源)は、書庫にこもりっきりで人と話すのが苦手な引きこもり侍。
あるとき、藩主の松平直矩(なおのり)は、幕府に姫路から日田への国替えを言い渡される。
当時の引っ越しは全ての藩士とその家族全員で移動するという、桁外れの費用と労力がかかる超難関プロジェクト。
しかも藩の財政は逼迫しているため、家財を減らし、人も減らし、さらには商人から借金までしなければならない。
国替えの総責任者である引っ越し奉行に任命されたのは春之介だった。
突然の大役に怖気づく春之介は、幼馴染で武芸の達人・鷹村源右衛門(高橋一生)や前任の引っ越し奉行の娘である於蘭(高畑充希)に助けを借りることに。
こうして前代未聞の引っ越し準備が始まった!
昔の引っ越しは一大事!
この映画は引っ越しをテーマとして、昔の人がどれほどの知恵と工夫で一大事を乗り越えてきたかが描かれています。
今では簡単に行える引っ越しも昔では一大事。
当然のことながら引っ越し業者がいるわけもなく、そもそも人が移動することだけでも大変です。
車や新幹線、飛行機で移動するわけにもいきませんから。
現在であれば、姫路から日田まで車で8時間弱、新幹線を使えば5時間もあれば着きます。
はたして昔は、荷物を持った状態で一体どれほどの時間がかかったことでしょう。
歴史に思いを馳せるきっかけに
こちらの映画は『超高速!参勤交代』シリーズと同系統の作品です。
史実に基づいた作品で、決して笑い事ではないけれど、当時の様子を垣間見ることができて楽しめる映画です。
遠い過去に思いを馳せる。
日本の歴史にちなんだ映画はやはり興味を惹かれるものです。
実際のところ、どれくらい当時の様子を再現できているのか、とても気になります。
松平直矩
引っ越し大名という異名を持つ松平直矩。
生きている間に7回も引っ越しを行ったことから、その異名が付いています。
現在であれば7回以上引っ越しをしたことがある人はいくらでもいると思いますが、江戸時代であればそうそういなかったことでしょう。
何せ莫大な費用をかけて多くの人数が移動するため、簡単なことではありません。
にわかには信じがたいことに、多いときには15億円もの費用がかかることがあったそうです。
当時の引っ越しは幕府が大名の力を削ぐために命じているので、引っ越している当人たちはしたくてやっているわけでもなかったでしょうに。。。
しかしそうやって引っ越しを繰り返していると、そのうちマニュアルができて慣れていきそうです。
まとめ
映画としてはエンタメであるため、楽しく見てしまいます。
しかし当時の人々からすれば、たまったものではありません。
引っ越しを成功させるための工夫に、涙ぐましい努力が含まれていました。
2019年8月30日公開