事故で視力を失ってしまった主人公。
誘拐事件に遭遇したが警察は取り合ってくれない。
そこで自身で捜索を始めたところ、猟奇殺人に行きあたった。
ストーリー
将来を有望視されていた警察官の浜中なつめ(吉岡里帆)。
しかし、自らの過失による交通事故で同乗していた弟を失い、一命を取りとめたなつめも視力を失ってしまう。
自暴自棄になったなつめは警察を去った。
ある夜、なつめは車の接触事故に遭遇する。
立ち去った車から助けを求める少女の声を聞いたなつめは警察に相談した。
しかし警察は話半分でしか聞いてくれない。
自分を信じたなつめは自ら事件を調べることにした。
接触事故のもう1人の目撃者である国崎春馬(高杉真宙)を探し出し、2人で事件を調べ始める。
その結果、女子高生連続猟奇誘拐殺人事件が明らかになる。
さらに真相に近づこうとしたなつめたちに、凶悪な犯人が襲いかかる。
研ぎ澄まされた聴力
タイトルのとおり、視力を失った主人公が目撃者となった誘拐事件。
あるいは視力を失っていなければ気づけなかったかもしれない、研ぎ澄まされた聴力が事件発覚のきっかけとなりました。
視力に頼っていると他の感覚にフタをされてしまう、そんなことを感じます。
環境によって立場も大きく変わるもの。
圧倒的に不利な立場に置かれている主人公が犯人と対峙する最後のシーンでは、いろいろと考えさせられました。
吉岡里帆さん
主人公を演じた吉岡里帆さんが良かったです。
弟を失ったことに責任を感じ、視力を失っただけでなく心に大きな傷を負った主人公。
遭遇した事件をきっかけとして、少しずつ立ち直っていく様子がよく現れていたように思いました。
ストーリーもなかなか奥が深く、意外性もあって最後まで楽しめました。
唯一の欠点は、ややグロテスクな映像が散見されるところです。
そこまで映像にしなくても、ちょっとやりすぎかな、と思わなくもなかったです。
五感の情報量
五感と言えば、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の5つです。
それらの情報量には大きく偏りがあります。
視覚が占める割合は大きく、8~9割とも言われています。
少し話は違いますが『人は見た目が9割』という本もありました。
いずれにしても、目から入ってくる情報量は圧倒的に大きいことがわかります。
視覚についで情報量が多いのが聴覚です。
そういえば昔、ゲームセンターでホラー系の体感ゲームを体験したことを思い出しました。
そのアトラクションでは、小屋に入って椅子に座りヘッドホンをします。
そして暗がりの中で殺人犯に襲われそうになる場面を音だけで聞くのですが、そのときはかなり恐怖を感じたものです。
まとめ
研ぎ澄まされた聴力によって発覚した事件。
しかし聴力のみが頼りだと他の人にはなかなか信じてもらえない。
なかなか考えさせられる映画でした。
2019年9月20日公開