2008年 公開映画

別々の視点から1つの事件を見る作り方がとても興味深い『バンテージ・ポイント』

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よくあるストーリーも作り方次第でおもしろさが増します。

テロ事件の犯人を、8つの視点から探し出す。

その意味とは?

ストーリー

テロ撲滅のサミットに出席した米国大統領が広場の群衆の前でスピーチを行おうとしたときに狙撃された。

さらに続けて、演台の下で爆弾が爆発した。

明らかなテロ行為に広場の群衆は混乱をきたす。

シークレットサービスとして大統領の警護にあたっていたトーマス・バーンズ(デニス・クエイド)はテロを行った首謀者の捜索を始める。

スピーチを放映していたテレビ局のディレクター、レックス(シガニー・ウィーバー)や旅行で訪れていた観光客のハワード(フォレスト・ウィテカー)、地元の刑事に大統領自身もまたテロ事件の当事者であり目撃者でもあった。

それぞれの視点からテロ事件を見つめたとき、真実が明らかになる。

 

映画の作り方自体がおもしろい

ストーリー自体はよくある話ですが、構成がとてもおもしろかった映画です。

シークレットサービスがテロの犯人を探していく中で、意外な真実が明らかになっていくとストーリー。

そんなありがちなストーリーのどこが特徴的だったのか。

 

それは、同じ事件を8人の視点から何度も見返していくところです。

主役であるトーマス・バーンズだけでなく、同じく大統領の警護にあたっていた同僚、観光で来ていた旅行客、スピーチの様子を放映していたテレビ局のディレクターなどなど、その場に居合わせた人物たちから見た視点が繰り返されます。

記憶をたどるのではなく、時間が戻って再び始まるわけです。

ストーリーが進んでは時間が巻き戻り、今度は別の人物の視点からあらためて事件を見ていく。

そして徐々にストーリーが進展していく構成となっています。

なかなか見ない作り方で、それだけでもおもしろかったです。

 

クリフハンガー形式

この映画のことを調べているときに、クリフハンガーという言葉を知りました。

クリフハンガー(英:cliffhanger または cliffhanger ending)とは作劇手法の一つで、劇中で盛り上がる場面、例えば主人公の絶体絶命のシーンや、新展開をみせる場面などを迎えた段階で結末を示さないまま物語を終了とすることである。

クリフハンガー(プロット)-Wikipedia より引用


いわゆる、盛り上がったところで終わることですね。

連続ドラマの最後やバラエティ番組のCMに入る前などが当てはまります。

『バンテージ・ポイント』では、ある人物の視点から別の人物の視点に映るときに時間が巻き戻る場面のことです。

バラエティ番組で見られる「引っ張る」のはイライラしますが、この映画ではこの手法が効果的に使われています。

 

まとめ

これまで見たことがない作りの映画でした。

少しずつ真実が明らかにされていくプロセスにワクワクし、意外な真相までセットでおもしろかったです。

お勧めの映画です。

 

2008年3月8日公開