あのときこうしていれば…
誰しも一度は考えたことがあります。
では現在が変わらなくても、過去に戻ることには意味があるのでしょうか。
ストーリー
時田数(有村架純)が働く喫茶店には座ると過去に戻れる席があったが、いくつかルールがあった。
1. 過去に戻っても現実は変わらない。
2. 過去に戻っても喫茶店を出る事はできない。
3. 過去に戻れるのは、コーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
4. 過去に戻れる席に座れるのは、先客が席を立った時だけ。
5. この喫茶店を訪れた事のない人には会えない。
幼馴染とけんか別れした女性、妻がアルツハイマー病になってしまった夫、妹に旅館を継がせたことに引け目を感じていた姉、過去に戻れる席にいつも座っている女性、そして喫茶店で働く時田数。
過去に戻っても決して現実は変わらない。
それでも過去に戻ったとき何が起きるのか。
涙もろくなりました
とても良い映画でした。
こういう映画にはめっぽう弱くて、久しぶりに涙してしまいました。
特に、夫婦の話と姉妹の話はベタなんですけど、自分の家族に重ねて「もしこうなったら」と考えてしまい、それだけで泣けてきます。
過去に戻ることの意味
なかなか示唆に富んだ映画でもありました。
過去に戻る系のストーリーは現在を変えることが目的であることが多いです。
「あのときこうしていれば、自分はもっと幸せだったはず」
そんなことを思って過去に戻り、別の選択肢で別の人生を歩み始めます。
大体はうまくいかないものなんですけど。。。
それに対してこの映画は、過去に戻っても現在の状況には影響を与えず、何も変わりません。
それでも過去に戻ることに果たして意味はあるのか。
「意味はある」というのがこの映画の提示する答えです。
現在の状況は変わらなくても、心の在り方、そして未来は変えられます。
そんなことを感じさせてもらったという意味でも良い映画でした。
タイムスリップ
過去へタイムスリップして現在の状況を変えようとする設定の映画はたくさんあります。
有名なところでは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや『ターミネーター』シリーズが挙げられます。
でも、過去をいじっても良くならないばかりか、かえって悪化するケースが多いです。
『バタフライ・エフェクト』シリーズは典型的です。
大切な人に幸せになってもらいたいと思って過去に戻るのに、現在がどんどん悪くなっていく。
最終的に主人公が自ずと同じ道を選ぶことになるのは皮肉なものです。
「起きていることはすべて正しい」。
捉え方はさまざまですが、結局はそのときどきでベストな、あるいはベターな選択をしてきているのかもしれません。
まとめ
涙なしでは見られない映画でした。
過去に後悔したことがあったとしても、現実にはそれをどうすることもできません。
できるだけ後悔しないように、今を大切にしていきたいものです。
2018年9月21日公開