2022年 公開映画

演技を超えた部分で成長が見えていくような、そんな映画でした『異動辞令は音楽隊!』

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鬼刑事が畑違いの音楽隊に。

阿部寛さん自身ドラムの経験がなかったことから、実際に練習を重ねたそうです。

主人公ともども成長していく姿に注目です。

ストーリー

犯罪捜査一筋30年の鬼刑事・成瀬司(阿部寛)。

コンプライアンスの真逆を行く成瀬は、何かとコンプライアンスの遵守で行動を制限してくる上層部とぶつかっていた。

今、成瀬たちが追っているのはアポ電強盗事件。

お年寄りの一人暮らしを狙って、警察を騙った電話で現金の在りかを聞き出し、宅配業者を装って鍵を開けさせるという卑劣な手口だ。

何としても犯人を捕まえたい気持ちが強い成瀬は、違法行為とも取られかねない強引な捜査を続けた結果、異動辞令を言い渡される。

異動先はまさかの音楽隊。

拒否することも叶わず、成瀬は音楽隊がある事務所へ出向いた。

そこで待っていたのは、はぐれ者たちの集まり。

仕方なく割り当てられたドラムに取り組むもうまくいかず、市民フェスティバルでの演奏もメチャクチャな状態。

家に帰れば娘にまで見放され、しまいには警察手帳を忘れるミスを犯し、激しい自己嫌悪に陥る。

その姿を見た同じ音楽隊に属する春子(清野菜名)は、「音楽と同じですよ。ミスしてもまわりがカバーすればいいんです」と声をかける。

翌日から、成瀬は吹っ切れたように、ドラムの練習に打ち込む。

すると、隊員たちも感化されて、音にも心にもハーモニーが生まれていく。

新たな居場所を見つけた成瀬だったが、税金の無駄遣いとまで言われた音楽隊は次の定期演奏会を最後に廃止が検討されていることを知る。

はたして成瀬たちは音楽隊を守ることができるのか?

 

人はこんなに変われます

事件を解決するためなら手段を選ばない、刑事一筋の主人公。

少しでも怪しい人物は令状もなく締め上げ、同僚でさえ恫喝する。

そんな恐ろしい人物がどん底を味わい、そこから少しずつ立ち直っていく姿が描かれた映画です。

ベタなストーリーながら、徐々に変わっていき、周りも影響されていく様がとても良かったです。

 

阿部寛さんだからこそ

主人公を演じるのは阿部寛さん。

さまざまなヒット作に出演していて、その演技は折り紙つき。

今作でも、その演技力が遺憾なく発揮されていました。

序盤は悪人かと見紛うばかりの狂犬ぶりで怖ささえ感じました。

そこから自身の信念が根本から崩され、見るも無残な弱さを見せます。

そして人が変わったような柔らかな人物になっていく。

その姿が素晴らしかったです。

 

いま推せる、清野菜名さん

『キングダム2』でお見かけし、カッコいい女優さんだなと思った清野菜名さん。

今作も良い役柄であり、見事にはまっていました。

誰もが恐れをなす主人公に対しても怯むことなく、むしろ強気で接していて、その芯の強さがピッタリだなぁと感じました。

2作見ただけですけど、いま推しています。

 

スタント無しが主流になる?

本作では、ドラムを叩いたことがなかった阿部寛さんが実際に何ヶ月か練習して撮影に臨んでいます。

昔であれば叩いたフリだけして、実際の演奏はプロがすることも多かったことでしょう。

危険なスタントはさすがに無理だとしても(トム・クルーズは除く)、代理や映像技術を使わずに役者さん自身が行っていくことが普通になっていくのでしょうか。

 

まとめ

予告を見たときから、「良い映画だろうな」と思っていました。

そして実際にそうでした。

出演者さんの良さもあって、気分の良い映画でした。

 

2022年8月26日公開