わずかなミスも許されない緊急通報指令室。
そして、少ない情報から組み立て上げられる事件解決へのプロセス。
それらが相まって緊迫感のある映画でした。
ストーリー
緊急通報司令室のベテランオペレーターであるジョーダン(ハル・ベリー)は、ある女性から不法侵入の通報を受けたときに1つのミスを犯してしまう。
その結果が悲劇を生み、自分が招いてしまったことに自責の念を感じていた。
オペレーターを辞めることも考えたが、研修生を指導する立場として仕事を続けていた。
そんな状況で再び受けた緊急通報。
それは、誘拐されて車のトランクに押し込められた少女からの懸命の通報だった。
以前の事件と重ね合わせて逃げ出したい気持ちがありながらも、その気持ちを振り切ってジョーダンは少女を救出することに全力を注ぐことを決意。
わずかな情報を手がかりに、これまでの経験を総動員してジョーダンは少女の救出に取り組む。
スリリングな展開と緊迫感に魅せられました
この映画は、緊急通報司令室のオペレーターであるジョーダンと誘拐された少女、そして2人をつなぐ1本の電話という限定されたシチュエーションで進んでいきます。
情報が少ないからこそ生まれる緊迫感が映画全体を取り巻いていました。
ごく限られた情報から少女の位置を特定していくところはまさにサスペンス。
少女から伝えられる情報を基に推理を進め、より確かな情報を得るために少女にできることを伝えていく。
そうやって少しずつ犯人に近づいていく様子がおもしろかったです。
また、誘拐におよんだ犯人の猟奇的な動機がスリラーの側面を強くしています。
最後の場面は自業自得なわけですが、恐ろしくてゾクッとしました。
やはり女性は強いです。
全体を通してとても緊張感のある映画でした。
実際、最初の場面でもあったように、ほんのちょっとしたミスが命取りになる仕事です。
それを想像するだけで否が応でも緊張感が生まれます。
限定されたシチュエーションを使った映画
シチュエーションが限定されると見えない部分を自分で補うため、逆に想像が膨らみます。
そんな限られたシチュエーションを使った映画はたくさんあります。
この映画よりさらにシチュエーションが限定された作品を求める方は、すべて電話でストーリーが進んでいく『THE GUILTY/ギルティ』がお薦めです。
電話といえば、電話ボックスというただ1つのシチュエーションで描かれる『フォーン・ブース』という映画もありました。
変化球だと『search/サーチ』は、SNSなどインターネットの世界だけで話が進んでいく、いかにも現代的な映画でした。
あらためていろいろな映画があるなと感じます。
まとめ
この映画は「緊迫感」の一言で表されます。
限定されたシチュエーションだからこそ生み出された緊迫感でしょうか。
冷静でありながら手に汗握る、そんな映画でした。
2013年11月30日公開