家族を失った主人公。
復讐心から、ただのお医者さんが冷酷な処刑人になります。
いつもと違うブルース・ウィリスが見られます。
ストーリー
救命救急医のポール・カージー(ブルース・ウィリス)は、警察が手に負えないほどに犯罪が多発している街シカゴで、毎日のように犯罪に巻き込まれた救急患者の治療にあたっていた。
そんなポールの平穏の地は幸せな家庭だけ。
しかしあるとき、ポールの家族が犯罪に巻き込まれ、妻が命を落とし、娘も昏睡状態になってしまう。
唯一の安息の場所を失ったポール。
せめて犯人を捕まえてもらうべく警察に捜査を依頼するも、次から次へと犯罪が起きている状況の中で犯人が捕まる気配は一向になかった。
また医者という立場ゆえに、悪人でさえも治療を施さざるを得ない状況に疑問を感じ始める。
そしてついにポールは自ら犯人を探し出し、自らの手で始末することを決意する。
いつもとイメージが違います
ブルース・ウィリスといえば『ダイ・ハード』のジョン・マクレーンに代表されるように、泥臭くも強い男の役柄が多いイメージです。
しかしこの映画ではお医者さんの役であり、何かイメージが合わず不自然な感じでした。
特に白衣姿は見慣れず…
いつもと違って今回はもともと強いわけではなく、始めは銃の扱いさえままなりません。
でも復讐への強い気持ちから、少しずつ知識や技術を磨いていきます。
そして最後には『ダイ・ハード』や『RED』に出てきたような、いつものブルース・ウィリスが見られます。
やはりこちらがしっくりきます。
復讐の是非
ポールは妻の復讐だけでなく、その過程で非道な悪人たちも始末しています。
殺されても仕方ないような悪人を無関係の人物が殺してもいいのか。
映画の中で論争されていたこの話題はよく議論になるところであり、考えさせられるところでもあります。
犯罪者は権利を守られるのに被害者は泣き寝入りするしかない。
そんなやりきれない思いは映画や本の世界だけではないはず。
思いがけず深いテーマも含んでいる映画でした。
インターネットの恐さ
この映画で1つ、今の時代の象徴だなと思えるのがインターネットの影響です。
ポールが悪人を処刑した様子がスマホで録画され、それがインターネットに流出する。
そしてインターネット上で話題になり、ニュースに大きく取り上げられ論争を呼ぶ。
今では普通に起こり得る話です。
実際、ニュースでも一般人が撮影した動画を見かけることが多くなりました。
昔であれば誰も気づかなかったようなことでも、今ではちょっとしたきっかけであっという間に広がってしまいます。
良くも悪くも影響は甚大です。
そういえば前に、手筈の整った処刑場面をライブ配信し、視聴回数が増えると処刑が進んでいくという、何とも恐ろしい映画を見ました。
人の好奇心が悪いほうへ作用する、後味の悪い映画でした。
まとめ
いつもと違うのは最初だけ。
途中からはいつもの強さあふれる男になりました。
考えさせられるところもある映画でした。
2018年10月19日公開