東野圭吾さんの30年前の著作が映画化されました。
興味深い舞台設定と意外性のあるラスト。
はたして映画化でうまく表現できているのでしょうか。
ストーリー
劇団に所属する役者7人に届いた、4日間の合宿で行われる最終オーディションへの招待状。
新作舞台の主演を争う最終選考で彼らが演じるシナリオは、「大雪で閉ざされた山荘」という架空のシチュエーションで起こる連続殺人事件。
出口のない密室で1人、また1人と消えていくメンバーたち。
果たしてこれは、フィクションか?それとも本当の連続殺人か?
彼らを待ち受ける衝撃の結末とは?
心理的なクローズドサークル
ある閉ざされた雪の山荘で。
タイトルを見ると、ベタなサスペンスと思えます。
そういうのも好きですけど、この作品は一風変わっています。
閉ざされた雪の山荘はあくまで架空の話。
そこで起きる殺人事件は舞台のシナリオです。
外部と連絡が遮断されているわけではなく、脱出できないわけでもない。
しかし、舞台の主役がかかっていると、少々不審なことが起きても演じ続けなければいけません。
そんな心理的に閉ざされた空間内を舞台に起きた殺人事件はシナリオなのか、それともこの機会に乗じた誰かの仕業なのか。
設定がとても興味深いです。
東野圭吾さん原作
この作品は東野圭吾さんの著作を原作としています。
1992年出版なので、30年以上も前の作品です。
昔に読んだことがあって、たしかにおもしろかった印象がありました。
この舞台設定しかり、最後の一筋縄ではいかない結末しかり。
東野圭吾さんらしい、2重3重に張り巡らされた仕掛けが存分に楽しめる作品でした。
映画化の是非
原作は読んでいたので、トリックは知っている状態で映画を見ました。
原作の映画化はよく評価が分かれます。
私はどちらかというと原作派なので、読んだことのある本が映画化されたものはあまり積極的に見るほうではありません。
今回も、映画館で映画を見たいけれどあまりピンとくる映画がなく、消極的に選んだ格好です。
結果、思ったよりも良かった印象でした。
30年前と今では技術の進歩も著しく、時代が変わっているところも多いので、表現の仕方が原作と映画で異なっている点は多々あることでしょう。
原作が手元にないので確認できませんが、今風にうまくアレンジされたのだと思います。
でもやっぱり、原作のおもしろさがあってこその本作であることは間違いありません。
まとめ
はるか昔に読んだ本なので大まかなストーリーしか覚えていなかったのはたしか。
でも、うまくまとめられていたように思います。
そして東野圭吾さんの本はやはりおもしろい!
2024年1月12日公開