限られた状況でも希望を見出すプロセスに理系心をくすぐられた『オデッセイ』
事故で火星に1人取り残された主人公。
絶望的な状況に立たされたとき、どう振舞えるのか。
生き抜くための手段を考える、そのプロセスにも注目です。
ストーリー
火星で調査をしているときにトラブルに巻き込まれ、たった1人で火星に取り残されてしまったマーク・ワトニー(マット・デイモン)。
地球への通信手段はなく、残された水や食料もごくわずか。
絶望してしまいそうな状況下、ワトニーは何とか生きていく方法を考える。
水や食料を増やすことはできないか、自分が生きていることを地球へ伝える方法はないか。
残されたものを総動員し、工夫に工夫を重ね、少しずつ生きる希望が見え始めてきた。
そして地球との交信にも成功し、救出までの算段もついた。
生きて地球に帰還できる。
そう思った矢先、再び問題が起こり、ワトニーは窮地に立たされる。
はたしてワトニーは無事に地球へ戻ることができるのか?
理系人間の関心を引く映画
とてもおもしろい映画でした。
絶望的な状況でも主人公が前向きなところ、そして少しコミカルに描かれているところもあって、楽しく見ることができました。
理系人間の端くれとしても、心をくすぐられるものがありました。
火星に取り残され、必要なものはすべてそこにあるもので賄わなければいけない。
足りないものをコンビニで買うわけにはいきません。
そんな限られた状況の中で、問題解決の糸口を探していくプロセスが興味深かったです。
食料や水など、生き残るために必要なものをどう確保するのか。
残された機材の中から材料を探し出し、水を作る方法を考える。
そうしてできた水を使ってジャガイモを栽培する。
カメラとアルファベットで通信を試みるところもアイディアだなと感じました。
限られた中で考えることで逆に創造的なものが生まれる、という本を読んだことがあります。
まさにそれを実践した、興味深くおもしろい映画でした。
火星
水金地火木…で見ていくと火星は地球のお隣さんです。
とはいえ、太陽から地球までの距離1億5,000万kmに対して、太陽から火星までの距離は2億3,000万kmで、当然のことながら遠いです。
想像もつかないくらい。
大きさは地球の半分くらいで、質量は10分の1程度。
大気はほとんど二酸化炭素で覆われているそうです。
地球の大気は窒素と酸素がメインなので、そのまま火星に住むことはできないでしょう。
映画で出てきたような特殊なスーツが必要です。
火星といえば、2月にNASAの探査機Perseveranceが着陸したことは記憶に新しいです。
送られてきた火星の画像を見ると、まさにこの映画のような風景。
宇宙はやはり、ロマンが広がりますね。
まとめ
理系人間の自分に刺さる映画でした。
1つ1つ問題を解決していくプロセスに心惹かれました。
主人公が前向きな姿勢でいてくれて、悲痛になりすぎなかったところも良かったです。
2016年2月5日公開

