ストーリー
先輩の紹介で一日限りの当直医としてやってきた速水（坂口健太郎）。少し奇妙な感じのする病院だったが、一日で終わる仕事だったこともあり、特に気にせず夜が明けるのを待っていた。
しかしピエロの仮面を付けた人物が現れたことで、その平穏は破られる。自ら銃で撃った女子大生の瞳（永野芽郁）を治療のため連れてきたピエロは、病院にいた速水らを人質に立てこもったのだ。
速水と瞳はピエロの目を盗んで病院から逃げ出そうとするが、そこで不可解な謎に次々と遭遇する。入院記録のない患者たち。隠された病室。警察への通報を拒否する院長。
ピエロの犯行目的もわからない中、この嘘だらけの病院で速水が気づいた驚くべき真相とは。
感想
これで終わりと思ったところからもう一段のどんでん返しがある。小説にしても映画にしても、やはりそういうストーリーは面白いもの。この映画はまさにそんなストーリーでした。結末の意外性と伏線の回収がおもしろかったです。
舞台はいかにも怪しげな病院。そこで立てこもり事件が起こり、その過程で見られてはいけないもの、知られてはいけないことが表に出てくる。そしてまた、その病院に因縁のある人物たちが知らず知らずのうちに集まってくる。ミステリーの王道とも言えます。
原作者は知念実希人さん。私は存じ上げませんでしたが、現役医師の作家さんだそうで、ベストセラーの１作とのこと。あらためて小説版を読んでみるのもいいかもしれません。
意外な結末にもいろいろなパターンがありますが、この映画の結末は私の好きなパターンでした。「なるほどね」と思えるかどうか、といったところでしょうか。よくできた映画だったと思います。
療養型病院
映画の舞台は、病院は病院でも「療養型病院」と呼ばれるものでした。療養型病院とは、慢性的な病気を抱えている方や治療を含めた長期の介護が必要な方が看護や介護、リハビリなどの必要な医療を受けられる病院のことです。老人ホームとはまた異なるものです。
最近は手術や治療のための入院期間が短くなっていると聞きます。長期で治療などが必要な場合は医療の提供方法も変わってくるのでしょう。
ところで私は独身のため、年を取ったときの身の振り方を考えておかないといけません。自宅で過ごせればそれが一番いいのでしょうけど、健康状態にも依りますし。あまり考えたくないことでもありますし、でも考えないわけにはいかない悩ましい問題です。
2020 年 3 月 6 日公開
